アイヌ語とは
アイヌ語は、アイヌ民族の言語で、主に北海道・樺太(サハリン)・千島列島(クリル諸島)のアイヌを中心に話されている(あるいは、いた)。
アイヌ語は音声による口承のみ語り継がれてきたものとされ、言語として特定の文字で表記する方法は定まいない。
アイヌ語と日本語は地理的に近い位置で話されてきたにもかかわらず、互いの間にはそれほど共通した点は見当たらない。
専門家の間では、アイヌ語を日本語の基盤となったいくつかの言語の内の一つから発展した言葉であるとする見方が一般的であるが、今のところアイヌ語は特定の語族に属することのない、言語分類上では「孤立した言語」となっている。
アイヌ語の現状
現在、アイヌ語を継承して人は少なく、近いうちに消滅してしまうことが懸念されている言語の一つである。
1996年の推定では、約15,000人のアイヌの中で、アイヌ語を話せる人は15人しかいないそうだ。
アイヌ語の消滅危惧のレベルは「おそらく消滅した言語」と「消滅の危機に厳しくさらされる言語」の間の「消滅に近い言語」となっている。
アイヌ語の文法
基本的な文型は SOV(主語・目的語・動詞)の順で、この点では日本語と同じであるが、形態論的には膠着語である日本語と異なり、抱合語というイヌイットやアメリカ先住民族らの言語(エスキモー諸語、インディアン諸語など)の間でしか見られない、アジアでは珍しい分類に属するとされる。
これは動詞に主語および目的語―― 授与動詞では間接目的語も――の人称および数を示す接辞が付けられ、さらにその他の意味を加える接辞(動詞の相や態、先行名詞との関係を示す関係詞的なものなど)が付加されて、動詞だけでも文に相当する表現が可能なためである。
なお名詞でも、特に個人と切り離せない関係にあるもの(体の部分など)には所有者を示す接辞が必須的に付加される。
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